【独自】清水下請け 除染廃棄物「埋めた」 警察が不法投棄で捜査 - ニュースパス

 

 

以下、この記事の転載です。

 福島第1原発事故を受けた国の除染事業を請け負う大手ゼネコン・清水建設の下請け企業の作業員が、福島県の除染で出た廃棄物を指定外の土地に埋めて、不正に捨てていたことがわかった。

 環境省は調査を始め、警察も捜査に乗り出した。 福島第1原発から5kmにある福島・大熊町の帰還困難区域。 家屋の除染解体工事が続いている。 茶色い土が見える、これらの土地で、清水建設の下請け企業の作業員が、解体で出た廃棄物の一部を指定の仮置き場に運ばず、そのまま近くの地中に埋めていたという。

 不正投棄に関わった作業員は、「ボードの残骸であったり、あとは断熱材のごみだったり、そういうのを埋めてましたね。(放射性物質は?)ついていると思います」と話した。

 FNNの取材に応じた作業員によると、解体などで出た細かい廃棄物を仮置き場に運ぶには、人手と労力がかかるということで、不正な投棄は、下請け企業の上司の指示で、複数の現場で行われていたという。

 不正投棄に関わった作業員は、「とりあえず、小さいものは埋めてしまえというような指示があって」と話した。  この下請け企業をめぐっては、国民が費用を負担する除染事業で、年105億円を売り上げ、その4割を超える43億円が代表らの役員報酬となっていたことが、FNNの取材で判明している。

 作業員は、不正投棄の背景に、こうした企業の利益体質があると指摘している。 不正投棄に関わった作業員は、「(この下請け企業には)どんな形でも、ばれなければ、売り上げを上げれば評価されるような考えが、みんなあったと思う」と話した。

 この企業は、不正投棄について取材に応じなかった。 また作業員は、不正投棄について指示があったと証言しているが、清水建設は、指定外の場所への投棄の事実を認める一方で、「現時点で把握している限り、意図的なものではないと認識している」とコメントしている。

 作業員は、不正投棄の理由について、「そういうことは、みんな(クビを恐れて)言わないで、上の指示の通りやっていた」と話している。

 福島県警は、放射性物質対処法違反の疑いがあるとみて、環境省と合同で、これまでに数カ所の土地を掘り起こし、地中から廃棄物を発見、押収して分析を行っている。  県警はまた、解体工事に関わった作業員らから事情聴取するなど、捜査を進めている。

 今回、大手ゼネコンが請け負った除染事業で不正が発覚したことで、原発事故後から続いてきた除染そのもののへの信頼が揺らぐことになる。 この不正投棄問題について、除染事業を所管する環境省は、取材に対し、「廃棄物を地中に埋めた疑いを把握し、調査している」とコメントしている。